抗がん剤のハンセンの溶解度パラメータ(HSP)を計算した。通常の溶媒と一緒にハンセン空間にプロットすると、抗がん剤のそばには溶媒は多くない。
それでは、さらにヌクレオシドと一緒にプロットしてみよう。
半透明の大きな球はヌクレオシドのハンセン溶解度パラメータ(HSP)の位置に半径5として描かれている。各色は次のようになっている。
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DNAはA-T、G-Cが水素結合を作って2重螺旋構造を作る。
nucleoside | Smiles | Color |
Guanine | O=C2/N=C(\Nc1ncnc12)N | Green |
Adenine | NC1=NC=NC2=C1N=CN2 | Cyan |
cytosine | NC1=NC(NC=C1)=O | Yellow |
thymine | Cc1c[nH]c(=O)[nH]c1=O | Magenta |
抗がん剤は、こうしたヌクレオシドのSphereの境のあたりに配置されるのが面白い。
このDNAは染色されやすく、細胞を染色すると見えてくるので染色体とも呼ばれる。
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よく使われる染色液は酢酸カーミンだろう。
これは、カルミン酸(Carminic Acid)を酢酸に溶かしたものだ。
本来は、鉄イオンやアルミイオンとキレート化させるが、とりあえず骨格だけHSPを計算してみよう。
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dye | smiles |
carminic acid | O=C(O)c2c(c3C(=O)c1c(O)c(c(O)c(O)c1C(=O)c3cc2O)[C@H]4O[C@@H]([C@@H](O)[C@H](O)[C@H]4O)CO)C |
No Sugar | Cc2c(C(=O)O)c(O)cc3c(=O)c1c(O)c(O)cc(O)c1c(=O)c23 |
それができたら、ヌクレオシドとのHSP距離を計算してみよう。染色剤と一番近いヌクレオシドはどれだろうか?
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こうした溶解性の検討にHSPiPは欠かせないソフトウエアーだ。
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