研究会用の皮膚刺激性データ下準備

学生と始めるpirika研究会の、動物実験代替に関する論文を友人が送ってきてくれた。私も専門分野でないのでとても助かった。
まず、解析データの下準備のやり方を示しておこう。それさえできてしまえば、
人皮膚モデル(EPISKIN)を用いた皮膚刺激性試験のin Silicoモデル式
でやったのと同じなので、他の論文は同じように解析できるだろう。

論文は、グンゼのものだ。(グンゼがこんなことやっているとは知らなかった。)
AATEX13(1), 11-26, 2008
Assessment of the in vitro skin irritation by chemicals using the Vitrolife-SkinTM human skin model
Noriyuki Morikawa, Tatsuya Kitagawa and Tomihata

その中にある、Table 1をテーブル化する。取り敢えず塩類は除外する。
PII(primary irritation index)と分子構造を結びつけたい。
化合物の構造のみから、PIIが予測できれば、PII<3で刺激性で、PII>3では刺激性ではないと判断がつくことになる。

テーブルの中にSMILESの構造式も入れておく。これはCAS番号からPubChemで調べれば良い。(Linalyl acetateのCAS番号は論文が間違っている。正しくは115-95-7)
腕試ししたい研究者はテーブルをコピペして解析してみると良い。

それができたら、各分子の記述子を計算する。ここではHSPiP用のY-MB(2019)でHSPや熱物性値、SMILESの構造式からRDKitを用いて3次元構造を作り、電荷平衡法(QEQ)を使って電荷やダイポールモーメント、CNDO/2分子軌道計算RDKitのトポロジカル・Indexを計算してテーブルに連結する。(意味がわから無い場合にはpirikaの各ページを学んでおく。)
このくらいのサイズの化合物が40弱なら、バッチ計算で1分かから無いで下準備ができる。

他の論文も同じように下準備する。
pirikaの化合物の皮膚浸透速度のページは参考になるのでよく読んでおく。

論文を送ってくださった方へは、学生と解析し終わった結果をお礼に送ろうと思う。

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