フラーレン(C60)とポリマーの適合性

2025.2.5

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注意:HSPiPに搭載の機能ではありません

フラーレンの溶解性データの準備

分子間力入門、講談社サイエンティフィック 西尾元宏著から持ってきた。

データをコピーしてExcelにペーストしておこう。

Y-MB25ProでQSPR用の物性推算を行う。

Smilesの構造式を解析してHSPを含め、45種類(2025年Jan. 粘度が増えた)の物性値の推算値が作成される。

このデータを用いて、相関係数を計算する。相関係数自体はExcelにも搭載されているのでそちらを利用しても良い。

相関係数表

C60の溶解度と一番高い相関係数を持つものは、屈折率であった。
さらに、屈折率と高い相関を持つものはdDfg, Tc, Gamma-d, SurTenであった。
何故、屈折率の高い溶媒ほどC60の溶解性が高いのかは、この時点では不明だ。データ駆動型(データ・ドリブン)の研究ではそれで良い。

data どんぶり

そのうち賢いAIが何故か答えてくれるだろう。

変数選択重回帰法

変数が組み合わさった状況では、どのような変数の組みがC60の溶解度を決めているのだろうか?

屈折率と、yED/yEAのルイス酸・塩基が選ばれることが多い。
屈折率と高い相関を持つものはdDfg, Tc, Gamma-d, SurTenであることがわかっている。

表面張力の分散項成分

グラフェンとポリマーの適合性の所で出てきたが、接着の仕事量としては表面張力の分散項(Gamma-d)は重要なファクターである。

Gamma-dと屈折率の関係

YMB25Proでの推算値を比べてみると屈折率とGamma-dにはとても高い相関があることがわかる。そこでC60の溶解性に関しては両者は同義であると言える。

HSPのδDと屈折率の関係

δD = (nD-0.784)/0.0395で計算できる。

実際に計算してみるとこのようになる。(HSP50周年記念講演会での発表)

次世代のHSP2ではdD2 = dDvdw2 + dDfg2とdD項を分割している。

そこで相関係数で見たときには、dDでは無く、dDfgが選ばれたのであろう。

dDfgはGamma-dとも高い相関があるが、C60の溶解度とプロットしてみると相関は低い。

C60はどんなポリマーと相性がいいか?

Y-PB25Proを使ってPolymer-smilesを計算する。(これは既にグラフェンで行った)Gamma-dが大きいものが屈折率も高いというのはY-PBの推算値でも同じようだ。グラフェンと同じようにチオフェン、ポリカなどが適応度が高い。

HSP距離の33式で溶媒への溶解性評価

dHacLa, dHbsLaを使ったもの以外は大きな違いはない。これはクロロホルム、アニソールが悪くする。

dDの時に選らばれる最適ポリマー

dDfgの時に選ばれる最適ポリマー

dDvdw + dDfgの時の最適ポリマー

2つの硫黄化合物

dHacLa, dHbsLaを使ったものは精度が出ない。

この硫黄化合物の溶解度の差は拡張HSP2を使っても説明できない。

SP値以外に何が効いている?

変数選択重回帰

ベンゼンのCNDO/2計算

2-methylthiopheneのCNDO/2計算

tetrahydrothiopheneのCNDO/2計算

ルイスの酸塩基

ローンペアや空軌道のエネルギー準位が重要

どんなポリマーと相性が良いか?総合判断


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