ハンセン溶解度パラメータ(HSP)と引火点

2022.11.24改訂(2010.11.12)

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概要

蒸気がなければ引火しない。
分子が安定なら引火しない。
それを合わせてQSPR式を構築した。

フッ素系の化合物にも適用可能な汎用的な推算式になった。またVOCに対して推算値と実験値を比較検討した。

内容

HSPiPの中には引火点を推算する機能が付け加えられている。

HSPiPを立ち上げて、σボタンを選び、DIYの中のY-MBを選択する。ここで、Smilesの構造式を入力し、計算ボタンを押すと、引火点の推算値を得ることができる。

引火点は溶媒の選択の上で非常に重要な情報だろう。構造のみから引火点を推算できるのはY-MBの重要な機能だ。
例えば、Diisobutyl Adipate (HCode=1140) の場合, Smilesの構造

(CC(C)COC(=O)CCCCC(=O)OCC(C)C)

を入れて計算ボタンを押すと、 Flash Point 134.1℃と推算する。

実験値は112.8℃なので、悪くない推算だ。

このHSPiPの引火点推算機能について説明する。

引火点とは“可燃性の液体物質が空気と可燃性の混合物を作ることの出来る最低温度である。” wikipedia

可燃性液体は工業的には取り扱いが非常に難しい。

引火点の測定装置 (タグ密閉)コンピュータによる予測
実際に試料が必要。
高価であったり、毒性が未知であったりする
大雑把な値の把握
安全

予測式

引火点 ∝ f(沸点)*g(分子の安定性)*h(ガスの量)

分子の安定性:分子の生成熱/分子量

ガスの量:totHSP: total Hansen SP

そして、f,g,hの関数をQSPRの手法を使って決定してやる。

すると、上の図ぐらいの精度で引火点を推算する式が得られる。
フッ素化合物でもそこそこの精度で推算することができる。

このように、HSPはその本質が蒸発潜熱なので、ある温度の時のガス量と相関がある。

詳しいことは相対揮発度の記事を参照いただきたい。

2011.11.24

Volatile Organic Compounds (VOC) の引火点の推算をV.3.1.Xを使って検証した。構造のみから推算しているにしては、それなりの精度が出ていると考えられる。文献の出所次第で、このぐらいの誤差はよくある。

Pirikaでの引火点の推算はこちら

本来、MOPACなどの分子軌道計算して得ている生成熱を、ニューラルネットワーク法で計算する。

DIYでも解説を行っている

対応するブラウザーを使い、上のキャンバスに分子を描けばどのくらいの引火点かを得る事ができる。詳しい分子の描き方はこちらを参照してください

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