HSPiPに付属の電子書籍を翻訳してe-Pubを作ってみた。
2010.7.8
2012.1.23
AppleからiBook Authorという教科書を作るソフトが公開された。それにJavaScriptのプログラムを埋め込むやり方についてこちらにまとめた。PDFやe-Pubの書籍を作りただけならpagesを使えば十分だろう。読み込めるタブレットもPCも多い。iBook Authorを使う用途としてはインターラクティブな書籍を作りたい場合で、これはiPadでしか利用できない。
HSPiPの”How to”を翻訳した。翻訳に使ったソフトは、AppleTransというApple純正のソフトウエアーだ。これをアップルのサイトからダウンロードして、インストールするとDeveloper¥Applicationsの中にインストールされる。今回利用したのはバージョンは1.2(38)だ。このソフトは元々は、アップルのマニュアルの類いを日本語化する時に使う為に作られたものが一般公開されているらしい。
翻訳するテキストファイルを用意し、AppleTransを用いて開く。そして1文づつ、コーパース画面に送り、訳を作る。(現在3000文が登録してある。)
このように、英文と日本語文が対比してセーブされる、翻訳メモリー方式の翻訳ソフトだ。
How toはAbbott教授が非常に頻繁に書き直したり、書き加えたりするので、しょっちゅう直さなければならない。ところが、このソフトを使うと、以前翻訳した所と全く同じ文は(一致率を指定して)自動的に翻訳してしまうことができる。このソフトなしには翻訳作業はできなかったと思う。
すべて翻訳が終わったら、テキストとして出力する。
それをワープロで読み込み、スクリーンダンプしたグラフィックを差し込んでHow to 日本語版が完成した。
それとは別に電子書籍として販売できないか?という話も持ち上がっている。自分がMac派なのもあって、iPadで読めたらいいのになーという単純な理由で、ePub形式の電子書籍をつくってみた。
日本語で、ePub形式の電子書籍を作る方法を、iPad発売以来、ずーっとアンテナ高く探していたけど、ほんとに良いソフトが無い。そのうちアップル純正のiWebが対応すると思っているのだけど、今のところ使えるのは、Google Codeで開発されているSigilだけではないかと思う。これは、現在 ver. 0.2.3で、ずいぶん良くなった。日本語も問題なく使える。このSigilの使い方はネットを見ると色々出ているので、そちらを参考にしてほしい。基本的にはhtmlファイルを用意してSigilで読み込んで表紙や目次をつけて完成だ。
ということで、ワープロソフト(Pages)からWordフォーマットに書き出し、Wordからhtmlフォーマットで書き出しを行った。できたhtmlファイルは問題なく、Safari, FireFoxで見ることができる。
そして、それをSigilで読み込む。
駄目。
エラーになる。
色々調べた所、Sigilは文字のエンコードはUTF-8のみらしい。Webオプションを選択して、エンコードの指定と、図もPNGを指定しておく。ファイル名も小文字のアルファベットのみにしておいた方が良い。
そして作ったhtmlをもう一度Sigilで読み込んでみる。
駄目。
差し込んだ図の所で読み込みがストップしてしまう。
ブラウザーの画面を全部コピーして、ペーストしてみる。
駄目。
テキストは全部ペーストできるが、画像が一つも行かない。
(300近い画像を一つ一つ所定の位置に戻すのはいやだ。)
どうにも、こうにも読み込めないので諦めかけた。
そして、最後の試しで、FireFoxで読み込んだものを別名で保存、タイプをWebページ、完全を選んでおく。これをSigilで読み込んだ所、大成功!!
完全なePubが作成できた。
何が問題だったかというと、Wordはhtmlで書き出しを行うと、画像を別フォルダーにまとめて作る。そのフォルダー名は、filename.filesになっている。
FireFoxで書き出したものは、filename_filesになっている。
このピリオドとアンダーラインの違いで読み込めない。
多くの人がWord-Sigilで電子書籍を作りたいと思っているに違いない。
でも、今のところどこにもこの情報が無いように思える。
困っているなら是非試してみるといいと思う。
できあがった、ePubフォーマットの電子書籍。
マックで読むのなら、Calibreというソフトがおすすめだ。
こんな事が自由にできるようになってくると、本当に出版社を通さずに本を作ろうというのが主流になって行くのかなと思う。
IPadが発売されて以来、電子書籍が色々取りざたされてきた。出版ー流通ー電気会社がこぞってグループを作り、独自規格を作ろうとしているようだ。言い分は、”日本語は縦書きとかルビとか特殊なので独自規格が必要だ”。また、そうして携帯のようにガラパコスになって行くのだろうか?
自分は、以前にシグマブックを購入した。メーカーはすぐに撤退して、無用の長物になっている。日本のメーカーの言い分を信じる人って本当にいるのかな? 1ヶ月で100万台売るアップルと、これから独自規格を作る日本のメーカー。そして、日本の独自規格は世界では売れない規格。
日本の携帯の機能は世界一で、日本語の独自性もあるので、どこも日本市場に参入できないなどと言っていても、iPhone一つにこれだけやられてしまう。
同じような事は昔PC-98シリーズでも言っていた。漢字を取り扱えるPCは98だけで,世界のコンピュータメーカは日本に入れないって。そして独自規格に走り,周辺機器メーカーから見捨てられていった。
日本の企業の何も学ばない性格を先にどうにかするのが先決だって。
まー、自分のやっているようなサイエンスの分野では日本独自規格などいらないし、ePubで十分かな。
マックのワープロソフト,Pagesがe-Pubに正式対応した。iWebから対応すると言う予測ははずれだった。
なんにせよ,ワープロで書いた物がe-Pubになる。
良い時代になったものだ。
2010.9.30
こんな事を書いていたら、本当にガラパコスという電子書籍端末が発売になるという。
すごいセンスだ。
フォーマットは「次世代XMDF」。世界展開を図るという。どこで売れるのだろう?
iPadでの書籍はwordやpagesで書けば、ISBN番号をつけて、アップル・ストアーで売れるサービスが欧米では確立している。アマゾンでもでも自分で書いたものをKindleへ自動変換して売ってくれる。ガラパコスの特殊フォーマットに原稿を出す人がいるのだろうか? ルビや縦書きなどの日本の特殊事情に対応とあるが、その端末を紹介する記事のどこにもルビや縦書きなど無い。端末の写真もガラパコスに写っているいるのは横書きの記事だ。新聞社のHPだって縦書きの所なんてないじゃないか。だったら新聞社が配信する電子新聞は横書きでルビなしがコスト的に一番正しい。
iPhoneやiPadで縦書きルビがないから使いにくいっていうユーザーの反応があるのだろうか? 誰もほしがっていない機能を特殊だから高く売りますって書籍の値段に反映させるつもりなら,電子書籍が普及しないだけだ。所詮、出版社や流通の既得権益を守るのが主目的で、利用者の事を全く考えていない。(そう言われたくなかったら,無償でWordに「次世代XMDF」書き出しプラグインでも提供しろって思う。)
ユーザーにそっぽ向かれるまでやり続けるんだろうな。
アップルはただ待っていれば良い。日本中の電子書籍が「次世代XMDF」になったら,誰かが次世代XMDFビュアーをiAppに登録してくれるのを。それがアップルが築いたエコ・システムだ。
世界展開しても世界では誰も必要としない「次世代XMDF」,他のフォマートも読めるようにすると言うが,そしたらあまたある電子書籍端末メーカーとのガチンコ勝負になる。本気で勝てると思っているのだろうか?
ザウルスが引き出しの化石になって久しい。次の化石はいらない。