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MAGICIAN養成講座 > 駄文 >

2020.10.22

非常勤講師:山本博志

AIのブラックボックスと蜂の8の字ダンス

AIの出す答えは、中身が解らないブラックボックスだと言う。
だから信用できないと。

でも、そんなの当たり前だと思う。
今のAIは人間の脳をモデルにしているのだから。

自分なんか、今日言っていたことと、昨日言っていたこととが平気で違っていたりして(特に歳をとって磨きがかかってきた)
自分でも自分の脳が何考えているのかわからない。
長い付き合いなのに。

ましてや、他人や隣国の人の脳が何考えているのかなんて解らない。

本当に脳ってブラックボックスだと思う。
だから、脳科学っていう学問があって色々調べているのに、研究すればするほど解らなくなる。

AIも、もう少し良い教師をモデルにすればいいのに。

例えば蜂なんかどうだろう? 
蜂は、蜜のありかを8の字ダンスで仲間に伝える。8の字の大きさと、方向が蜜のありかだ。言語を持たない蜂ならではで面白い。

巨大すぎる脳を持ってしまった人間は、脳がブラックボックス化して行ったのだろう。

そこで言葉を発明した。

ブラックボックスの過剰な情報をそぎ落として、エッセンスだけ、ここまでなら、他のブラックボックスと共有できる限界点まで情報を圧縮したのが言語なのだろう。

桜の写真をJEPG画像圧縮で限界まで圧縮して、「東に2Km」と言葉にしたようなものだ。

当然この圧縮は非可逆圧縮で、失われた情報は戻せない。

歳をとると、顔は思い出せるのに、名前は思い出せない事が頻繁に起こる。
当たり前だ。
画像はJPEG圧縮で30%圧縮しても何だか分かるけど、名前は40%圧縮したら、情報はないに等しい。

元の画像情報が99.999%圧縮されているのが名前だから。
それでも、先頭の一文字出てくるとスラスラ出てくる。それも不思議だ。

AIはワラジ虫を認識できるか? 池谷先生の本によれば、脳は1000億個(この銀河の星の数と同じくらい)のニューロンが平均1万個のシナプスでつながれていると言う。

そのニューロンに0,1の情報を持たせると、宇宙にある原子の数より多くなるとか。

だから、コンピュータがどんなに発達しても脳は超えられない。

まー、僕はAIが人間を超えるか超えないかの議論はどうでもいい。
悪いけどその頃には死んでいるか、認知症でわけがわからなくなっている。(認知症の薬をAIが作ったりすると逃げ得になれずに困るが)

僕が知りたいのは、そんな膨大な情報を蓄えられる脳が、何故、過学習にならないかだ。
  たかだか、4-50層のDeep learningで1000万枚の画像を学習。
次にはインスタグラムの35億枚の画像を学習。
それでも、人間が決して間違えないものを間違えるのが現在のAIの実力だ。

ニューラルネットワークは層が増えるにつれ、蓄積できる情報量が増えるので、情報を大量に与えないと過学習を起こしてしまう。

それなら何故さらに大きな情報を蓄えられる脳はこんな少ない量の情報で猫を認識できるのか?

うちの子供は2冊の図鑑で猫ぐらい認識できるようになった。
生まれも、育ちも違う(ニューラルネットワークの組み立て構造が違う)様々な脳が、非常に少ない情報量で、皆が皆、猫を猫と認識している。

何故、過学習をしないのか?

デカルトの「我思う、故に、我あり」。どうやって「思う」のかと言うと、言葉で思うのだろう。

言葉という枠をはめてしまうと、情報は極端に縮退してしまう。

うちは犬や猫は飼っていなかったので、子供の脳は「AABBCC---XXYYZZ」と言う膨大で複雑なニューラルネットワークの情報を「ダンゴ虫」と言う最小限の情報に置き換え記憶する。
似ているけど団子にならない「ワラジ虫」は、情報の差分だけ記憶する。

丸くなる。ならない。他は全く同じ2つの生き物が居たとしたら、AIは画像認識できるだろうか?
丸くなっている写真を見せれば、団子虫。
丸くなっていない写真は、団子虫とワラジ虫の確率半々。
量子コンピュータの世界だ。

では、薬の基本骨格のある位置にメチル基が付いていたら毒でした。その隣にメチル基が付いていたら薬でした。

その構造情報をAIに学習させたらどうなるか? 団子虫の写真なら、拡大したり、裏写ししたり、角度つけたりして情報を水増しできる。

構造式はどう見ても1つだ。もう少し情報くださいってたって、でも、基本骨格を変えたら、そもそも、団子虫、ワラジ虫ではなくてフナムシになってしまう。

うーん。人間の言葉では説明できないから、自分の言葉で考えてくれ。
人間のわかっていることは、縮退されたこんな言葉程度しかありませんがそれは全部あげます。

後よろしく。


脳は無精者。 潜在的な膨大な脳の情報蓄積能力は役に立っていない。

と言うことは、今のAIは真面目すぎるのがよくないのかな。
結合荷重行列の「AABBCC---XXYYZZ」を一生懸命集めて、それを全部記憶して、疎視化層を設けて情報を縮退して、真面目にやリすぎているんじゃないの?

うーん。悪いけど、僕も僕の子供もそんなに真面目じゃないし、苦労はやなんだよ。

コンピュータは苦労なんて理解できないかもしれないけど、不真面目で無精者だから言葉を発明したんだよ。

ブラックボックボックス同士の通信手段だから、言語は余り厳密じゃいけないんだ。

厳密にしようとすると情報量増えすぎて無精者には使えなくなるじゃないか。

だからお前たちコンピュータにはAI用の言語、数学を用意してやってのだろう。

コンピュータの認識の中で「AABBCC---XXYYZZ」「AABBCC---WXYYZZ」と一文字違っているからちゃんと違いを認識できているとAIが主張するかもしれない。

悪いな、お前の言葉は理解できないよ。お前の使う言葉は僕たちの10000000000倍も多いし。全くブラックボックスだな。

AIからはお前に言われたくない!ブラックボックスでない脳の見本見せろ!と言われそう。

うーん。見せてやりたいのは山々なんだが、不可逆に縮退された言葉は情報失われてしまっているし。

最近の桜を見る会では無いが、「情報は酒飲んで破棄したので復元できません。蜂さんに聞いてください」。

って言えば、「蜂の一刺しに」なる?

(そんな冗談わかる人、もういないか)


無精者を手本にしたAI まー、そんなこんなで、汎用AIには興味ないけど、化学系のニューラルネットワークに関しては、色々教えて育てている。

でも教えられるのは、自分なりの化学の言葉だけだ。
出来上がったニューラルネットワークは他の人の化学の言葉は学べない。

未分化のiPS細胞はどんな器官にもなれるが,分化が済んでしまったら元には戻れないと同じだ。

そうしたニューラルネットワークは、自分専用のAIアシストになってくれる。

でも育った後のものは無精者だよ。僕に似てるんだから。

残念ながら、自分の子供達のニューラルネットワークは違う方向へ進化し、僕の化学の言葉は「AABBCC---XXYYZZ」と認識している。。。

まー生まれた段階で、DNAはカミさんとミックスされているのでしょうがないよね。

そんな訳で、Pirikaに「汎用のMIソフトを売ってくれ」って言うのは無理だ。
汎用=いっぱい売れる=安いと思うのかもしれないが、汎用のMIは目指していない。

でも、高価かというとそんなことはない。育てるのはそちらだから。

保育園ぐらいで養子に出すから、自分流に育ててね。
育て方はMAGICIAN養成者養成講座で教えるから。
ということだ。

教育者にエースを投入すればリターンも多いし、そうでなければアウトプットも限定される。


人材再活用? pirikaでやっている事が人材再活用プロジェクトだと思われている節がある。

昔、ITリテラシーが無いと高齢の方を退職させた時代がある。
職安では、エクセルやワードを教えて、ITリテラシーを高め労働市場に再投入。

でも、いくら学んでも受け入れてくれる所などありゃしない。
名目に使っているだけだ。

MIリテラシーの場合、問題なのは中堅社員が対象だという事だろう。
例えば銀行の融資担当をAIに置き換える。
「頑張ってMIリテラシー学びますから」と言っても職自体がなくなる。

AIと合成ロボットがあれば、合成屋という職もなくなるかもしれない。
DNAシーケンサーとペプチド合成ロボットみたいなものだろう。

MIリテラシーをつけさせて、人材再活用という職安みたいな事をpirikaに期待しているのだろうか?

蜂でもアリでも集団生活を行う昆虫の中には、必ず働かないダメ社員みたいのがいる。
それは種族存続上必要なのであって、働かないアリを取り除いても同じ割合で発生してしまうという。

じゃー、働かないアリだけ集めて集団を作らせると、また同じ割合で、働くアリと働かないアリに別れるという。

うーん。ということは、人材再活用という考え方自体が無意味なのか。

pirikaには最高70才超の方からのスーパーバイズを受け入れたり、個人や大学からの相談を受けている。
来年5月以降、企業とのコンサルも始めるので、最近問い合わせも増えている。

でも、「AIの育て方」「(AIに教育する)人の育て方」の考え方が合わない所とは、お互い不幸になるので受けないだろうな。

大事な子供を養子に出すのだから。

AI、AIと過剰に期待しない事だな。モデルが悪すぎる。

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