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2005.1.14
頻度因子の求め方について解説してある本は自分の知る限り藤本先生の本だけです。何故なんでしょうか? 一つには計算精度が出にくいし実績対比もしにくいので割愛されてしまうのでしょうか?
式中では、2分子反応の頻度因子は次のように書き下されています。
k:ボルツマン定数
h:プランク定数
です。そしてdSのところへ先ほど求めたエントロピーの変化項を入れて計算します。温度は60℃にしておきます。B3LYP/6-31G**で計算した247個の遷移状態の頻度因子を計算します。参考書の190Pの計算式はe2が抜けています。値が小さいので10の17乗を掛けます。
さてこの頻度因子をニューラルネットワークで推算する事を考えてみます。
name | A8 | RaSOMO | RaLUMO | RaHCharge | MonHOMO | MonLUMO | MonTCharge |
MMA-Mal | 14.528782 | -9.566 | -0.598 | -0.1579 | -11.708 | -1.548 | -0.1308 |
Vac-Amb | 724.54424 | -8.785 | 0.553 | -0.1144 | -11.067 | -0.078 | -0.059 |
Vac-AA | 592.13286 | -8.785 | 0.553 | -0.1144 | -11.147 | -0.17 | -0.0547 |
AA-Vac | 290.93853 | -10.118 | -0.814 | -0.1489 | -10.083 | 0.687 | -0.2102 |
St-VF | 439.34772 | -8.565 | -0.225 | -0.1462 | -10.597 | 0.714 | -0.2065 |
AMD-Mal | 192.37047 | -10.024 | -0.48 | -0.1804 | -11.708 | -1.548 | -0.1308 |
VC-AMD | 390.53817 | -8.928 | 0.56 | -0.3047 | -10.925 | 0.143 | -0.0608 |
AM-AA | 944.12965 | -10.017 | -0.711 | -0.1578 | -11.147 | -0.17 | -0.0547 |
活性化エネルギーのときと同じくMOPACで計算したラジカルのSOMO、LUMOとラジカルヘッドの電荷、モノマーのHOMO、LUMO、モノマーテイルの電荷の6種類を説明因子にしてニューラルネットワークで頻度因子を推算してみます。
縦軸、横軸をLogをとってグラフを書くと上のようになります。あまり収束しません。これはラジカルのSOMO、LUMOとラジカルヘッドの電荷、モノマーのHOMO、LUMO、モノマーテイルの電荷の6種類では頻度因子を説明しきれないということを示唆しています。そうしたら次にはどんな項目が頻度因子に影響を与えているか、上記6つのうちいらないのはどれかを考えます。頻度因子の実態はエントロピーの変化、すなわち振動数が関与するのではないかと考え、振動数を変えそうな説明因子を考えます。(自分が考えたものはXXXXなのですがあえてここには書きません。ご自分でも考えてみてください。)
最終的に自分の得た頻度因子を推算するニューラルネットワークは説明因子8個、中間層7で次のような結果になっています。
このように頻度因子をラジカルとモノマーの分子情報だけから推算できました。頻度因子と活性化エネルギーが求まるという事は反応速度定数kijが
kij=Aij*e(-dE/RT)
任意の温度で求まるという事です。
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