2012.12.23
PowerToolは2017.5サポートが終了しました。機能がver.5に統合されたのがその理由です。今後のバージョンアップ、サポートはありませんのでご了承ください。
HSPiP(Hansen Solubility Parameters in Practice:ハンセン先生達によって作られたHSPを取り扱う商用パッケージソフト)の開発では、ユーザーからのフィードバック(新しい提案、バグ情報)が非常に重要な役割を果たしています。
しかし、フィードバックが直接すぐにHSPiPに搭載されるかというとそれも難しいのが現状です。
もしかしたら改良したつもりが、他の部分との整合性が崩れ、逆にパーフォマンスが低下したというようなことがあるからです。
そこでフィードバックをくださった方にテスト・バージョンを提供し思った通りに動作しているか試して頂いています。
それを怖いもの見たさのプログラムと呼んでいました。
2012年の第3回インターナショナルHSPiP開発者会議において様々な拡張が行われ、プログラムの基本構成が大きく変更されました。
一番大きな変更としては、恐いもの見たさのプログラムのうち、バグの取れたものから、パワーツール(PT)としてアドオンの形で提供され始めるというものです。
これらのPTはパワーユーザー用のツール群で、更に高度な利用を行いたいパワーユーザー向けのものです。
またパワーツール+は、さらに使いこなしにそれなりの知識が必要になりますので万人向けのソフトウエアーではありません。
プログラムの改良に貢献してくれるコアなユーザー、 一部のユーザーが対象のプログラムです。
HSPiPとはどんなソフトウエアーなのか、知りたい方はこちらのページを参照してください。
我々の開発したプログラムは暗号化されています。それは一部のシステムで人気の高いソフトにマルウエアーを忍ばせ配布するなどの行為が知られているので改変できなくするためです。
パワーツールはHTML5/JavaScriptで開発されています。
PirikaのHPにもブラウザーがHTML5に対応していれば、Sphereを表示してグリグリ回したり、溶媒が何であるかクリックして調べたりできるページがあります。
このViewerを欲しいという要請は海外のユーザーからたくさん頂きます。
しかし、表示ルーチンはともかく、データを作るのは結構めんどくさいものでした。
YVMは、こうした表示用のデータを作成するお助けアプリです。
HSPiPをお持ちでない研究者に結果を送れば、HTML5をサポートしたブラウザーがありさえすれば結果を見ることができます。
白黒(灰色)に色を設定すれば論文用の画像も簡単に作れます。
プロジェクターに接続されているコンピュータにブラウザーが入っていれば、打ち合わせの際に高いインパクトが期待できます。
FFEというプログラムでは、Sphere Viewerが内蔵されていないので、3次元的な位置を確認したい場合には必須のソフトだと言えます。しかし、このツールを使うにしても、HTMLの基礎と、ファイルの取扱、配置のさせ方など、コンピュータ利用技術が必要になります。万人向けのソフトではありません。
どのような事ができるのかを解説します。
このプログラムは、HSPiP ver. 4に搭載のSphereViewerのもとになったプログラムです。
hsdファイルの選択などをしなくてビュアーが動くのは良いのですが、データをコピー&ペーストしなくてはならなかったり、得られたコードを保存したりする際に、HTMLやJavaScriptの知識が必要なことから、Abbott教授がダメ出ししました。
そこで名称をビュアーをY-Viewer、データを作るプログラムをY-View Makerと改称しました。 解説を読んで、どうにかなりそうだ、これでは使えないなどフィードバックを頂ければと思います。
HSPiPの分子構造の入力にはSmilesの構造式が使われています。バイオ関連の海外のユーザーから、SDF/MOLフォーマットでの入力に対応して欲しいという要請があり作成したプログラムです。
せっかく3次元の分子構造を入れるので3D QEQで電荷も計算できるようにしてみました。
他にもPDBフォーマットの読み込みなどの要望もあるので順次拡張していく予定です。
医薬品などの配糖体の部分の取り扱いにもあるように大きな分子の一部を切り出してその部分のHSPを計算する覗きめがねの機能も要望されています。
3.3b: -N=の取り扱いを修正。
海外の可塑剤の設計をやっている研究者から、可塑剤の粘度の温度依存性を検討したいという要請がありました。ごく低温から、高温までの広い範囲にわたる粘度、特に粘性の高い液体の推算は難しいし、HSPiPに搭載されているYMBでは25℃の粘度しか推算できません。
あまり自信はありませんが、とにかく指標だけでもと言うことなのでフィードバックを条件にHPにアップすることにしました。オリゴマータイプの可塑剤には有効かもしれません。
粘度をCox温度に対してプロットするとほぼ直線になります。当たり前といえば当たり前ですけど、非常に面白いですね。
ポリマー同士の混合が起きるか、起きないか考えるのに、ポリマーのHSP距離から評価するのは有効でしょうが、球の重なり体積から評価してみたいという要請がありました。
2成分の重なりなら、HSPiPの機能、double-overlapを見れば良でしょう。
それ以上の球の重なりを計算したいならこちらを使ってみて頂きたいと思います。アクセスするとパス・コードを求められますが、何も入れずにEnterを押してください。
Sphereは5つまで扱えます。 パスコードを入れれば、3つ以上の球の重なりを扱えます。
HSPiPにはForce Fitという機能が搭載されています。
これを使うとポリマーのHSPが既知だった場合、その値を溶媒に強制的に当てはめて評価(バグがあるようだが)してくれます。
それをもっとフレキシブルに取り扱う機能を作成してみました。
酢酸ビニルを加水分解してポリビニルアルコールを作る場合を考えてみましょう。
加水分解の途中ではエステルの部分と水酸基の部分が混在します。
こうした両方が混在するポリマーのHSPは酢酸ビニルとポリビニルアルコールの中間にあって、加水分解率が進むに連れ酢酸ビニルのHSPからポリビニルアルコールのHSPに変化していはずです。
その中間のポリマーを取り出して、溶解性試験(もしくは濡れ性試験)などから中間のポリマーの溶解結果(Scoreが0か1か)を得ることができます。
その結果を用いて通常のHSPiPでHSPを求めるのでは無く、強制的に酢酸ビニルのHSPとポリビニルアルコールのHSPの間に(各HSP成分のレンジを指定して)答えがあるとして中間のポリマーのHSPと相互作用半径を探索します。
こうした機能は2種類のポリマーを混合してIPNを作った場合混合のレベルによってHSPが変わりますけど、答えは2種類のポリマーの間にあるだろうとか、架橋反応が進行するにつれHSPが変化するが、方向は原料から生成物の方向だろうとか利用価値が高いとおもわれます。
これはカルフォニア工科大学のゴダード教授から提案のあったもので、HSPと先生の計算機化学を合わせて気液平衡(VLE)を予測しようというものだ。
HSPは(3次元ベクトルが)似たものが似たものを溶かすという考え方で、それを使って活量係数を予測する機能がHSPiPにも搭載されていますが、さらに計算機化学とコラボすることによって、予測精度をあげられないか検討を開始しています。
こちらも新しいGUIを採用しています。
HPLCの保持時間(RT)をハンドリングする機能はHSPiPにも搭載されてるが非常に使いにくいです。
もっとフィードバックがあれば改良するとAbbott先生はおっしゃっていますが、ほとんどフィードバックがないのが現状です。
自分はRTの相対位置はカラムの充填物と検体のHSPの差だけでおおよそ決まっている(ODSカラムの場合)と考えていますが、先生は納得していません。
フィードバックを増やすにはこうしたプログラムの提供が不可欠と思いプログラムを作った所、海外の研究者から多くの問い合わせを頂くようなりました。
HPLC Helper ver. 3.1a (2012.4.15)の使い方はこちらから。
FFEは化粧品、経皮医薬品の処方設計(Formulating)するプログラムです。
どんな処方にしたときに効き目(Efficancy)が最大になるかを検討するのに役立ちます。
その効き目を評価する際に、皮膚と基材、有効成分のHSPのバランスを最適化するプログラムですが、HSPiPとの住み分けをよく質問されます。
具体的にはFFEを買えば、HSPiPはいらないのか?という質問です。
FFEには各成分のHSPを3次元的に表示する機能は無いし、推算機能、DBも劣っているので両方あったほうが好ましいという答えになってしまいます。
このソフトでは、パラメータが揃っていれば電荷、HSPに加え、下記の物性を計算する。
MW | logKow | logS | log(BCF) | SoilPar | Mol Volume |
357.778 | 4.005 | -3.645 | 3.113 | 3.203 | 283.13 |
Mol Conec Index | Dipole Moment QEQ | Max plus Charge atom | Min minus Charge atom | Formula | |
11.9179 | 3.146 | 0.23 | -0.351 | C19H16ClNO4 |
また、HCode Finderも含まれるのでHCode=20359 indomethacinであることも確認できます。
FFE Helper ver. 3.1a (2012.4.15)の使い方はこちらから
混合溶媒の探索は、HSPiPのSolvent Optimizerを使えば簡単に行うことができます。
探索したいターゲットのHSPを入力してサーチするだけです。このオプションのうちPw(Pairwise combinations)は溶媒リスト全部の溶媒から、最適な溶媒の混合比率を探索してくれる。
元になったのはpirikaで公開のグリーン・ソルベントの設計で紹介したJAVAのプログラムです。
最近、HSPの水素結合項をドナー/アクセプターに分割しないと正しい結果が出ない一部のユーザー(無機物系、生物系)に4DSphere探索プログラムを提供していますが、4DのHSP [dD, dP, dHdo, dHac]が求まってもHSPiPのSolvent Optimizerが4Dに対応しないため最適混合溶媒が探索できない、なんとかならないか?という相談を受けました。
4DSolDesiner ver. 3.1a-J(2012.6.22)の使い方
パワーツール+のバージョンは無いけど、HPに付け加えたプログラム
Relative Evaporation Ratio(相対揮発度)計算機
Critical Micelle Concentration(CMC)計算機
要望が多ければ、パワーツール+を作成します。
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